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A01 ネアンデルタールとサピエンスの骨格の形態差から探る飛び道具使用行動の差異
A02 ネアンデルタールのライフステージと栄養生態:サピエンスとの学習能力差の基盤の解明
B01 認知能力と学習についての進化モデルの構築
B01 芸術の誕生と交替劇
B01 精神疾患から紐解く新人と旧人の学習能力の違い
B02 大気海洋大循環モデルと陸域生態系モデルを用いた古植生分布再現とその不確実性評価
C01 頭蓋と脳形態の相関に関する研究:化石人類の脳区分推定に向けて
C02 飽きに対する対処戦略の神経基盤と創造性・学習能力との関連の解明
C02 学習意欲と疲労耐性による強化学習の神経基盤研究


研究課題名:ネアンデルタールとサピエンスの骨格の形態差から探る飛び道具使用行動の差異
研究代表者:日暮泰男
所属・職名:大阪大学・大学院人間科学研究科・助教

■全体研究計画(2013-2014)
【研究目的】
約4万5千年前から3万5千年前までの間に、旧人ネアンデルタールに取って替わり新人サピエンスがヨーロッパに拡散した。この旧人と新人の交替劇にいたる過程について、狩猟具の差異にもとづく仮説が提示されている。この仮説では、サピエンスは複合的な飛び道具を使用しはじめたことによって、そうした技術をもたない旧人にたいして従来の狩猟対象獣の捕食効率や狩猟対象獣の幅において優位にたったことが交替劇の要因として重要視される。本研究では、この仮説の検証をふくめ、飛び道具使用行動から交替劇について考察することを目的とする。

【研究方法】
機能形態学的ならびに生体力学的方法論をもちいて、次の5つの点を明らかにする。
(1)各種の飛び道具(手投げの槍、投槍器、弓矢など)の長所
(2)サピエンスの投擲中の身体運動
(3)投擲能力に影響する身体的要因
(4)ネアンデルタールとサピエンスの骨格の形態差
(5)ネアンデルタールと初期のサピエンスの投擲能力

■2013年度研究実施計画
【研究目的】
投擲実験によって、各種の飛び道具の長所とサピエンスの投擲中の身体運動を定量的に把握し、投擲能力に影響する身体的要因を特定する。文献調査によって、ネアンデルタールとサピエンスの骨格の形態差について数値として扱えるものと扱えないものとを峻別し、数値として扱える形態特徴についてデータを集める。

【研究方法】
(1)投擲実験:実験参加者が槍を標的にむけて投げる動作をビデオカメラで撮影する。実験後、映像をパソコンに取りこみ動作解析ソフトウェアをもちいて、投擲中のとくに体幹および上肢の解剖学的特徴点と槍の運動を、各時点における三次元空間内の座標値として算出する。この座標値から体幹や上腕などの身体部位の屈曲/伸展、内転/外転、回旋運動、そして槍の速度や加速度などを計算する。ビデオ撮影と同時に、投擲中に身体が発揮する力の計測もこころみる。実験参加者の身長、体重および身体部位のサイズをアントロポメータや滑動計によって計測する。
(2)文献調査:ネアンデルタールの四肢骨と体幹骨の化石について記載した論文や書籍などを渉猟する。

■関連業績
【口頭発表】
  • 日暮泰男
    2011 「投擲運動の学習プロセスの解明」『ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究』2011.4.24. 科学研究費補助金新学術領域研究「交替劇」第3回研究大会. 東京:学術総合センター.
  • 日暮泰男
    2011 「投擲運動の学習プロセスの解明:予備的分析の報告」『ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究』2011.12.10. 科学研究費補助金新学術領域研究「交替劇」第4回研究大会. 岡崎:岡崎コンファレンスセンター.
  • 日暮泰男
    2012 「投擲運動の学習プロセスの解明:2012年度の研究計画」『ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究』2012.4.14. 科学研究費補助金新学術領域研究「交替劇」第5回研究大会. 東京:学術総合センター.
  • 日暮泰男、熊倉博雄
    2012 「投擲運動のキネマティクス」2012.11.4. 第66回日本人類学会大会. 横浜市:慶應義塾大学日吉キャンパス.
  • Higurashi, Y.
    2012 Aimed Spear-Throwing in Modern Humans: A Preliminary Study of Upper Limb kinematics. Replacement of Neanderthals by Modern Humans: Testing Evolutionary Models of Learning. Nov. 19-20. 2012 International Conference on the RNMH Project. Tokyo: National Center of Sciences Building.
  • 日暮泰男
    2013 「投槍器を用いた槍投げにおける上肢の動き―生体力学的知見から過去の人類における投槍器の習得について考える―」『ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究』2013.1.12. 科学研究費補助金新学術領域研究「交替劇」第6回研究大会. 東京:東京大学本郷キャンパス.
【著書・同掲載論文】
  • 日暮泰男
    2012 「投擲運動の学習プロセスの解明-予備的分析の報告-」西秋良宏編『考古資料に基づく旧人・新人の学習行動の実証的研究2-「交替劇」A01班2011年度研究報告-』:39-44.
  • 日暮泰男
    2013 「投槍器をもちいた槍投げにおける上肢の動き」西秋良宏編『考古資料に基づく旧人・新人の学習行動の実証的研究3-「交替劇」A01班2012年度研究報告-』:87-93.

研究課題名:ネアンデルタールのライフステージと栄養生態:サピエンスとの学習能力差の基盤の解明
研究代表者:山内太郎
所属・職名:北海道大学大学院保健科学研究院・教授
研究協力者:萩野泉 北海道大学大学院保健科学院・博士課程/日本学術振興会・特別研究員

■全体研究計画(2013-14)
【研究目的】
本研究はH23-24に実施された第1期招待研究の継続・発展を企図する研究である。現代に生きる狩猟採集民のライフステージ(成長発育段階)と栄養生態に関するフィールド調査を基に仮説を構築し、化石資料とシミュレーションによって「学習能力」の基盤となるネアンデルタールの生理・生態・成長を検証することを目的とする。

【研究方法】
1. ネアンデルタールのライフステージ…思春期スパート、成長パターンの推定
2. ネアンデルタールの寒冷適応…基礎代謝量・筋肉量の推定
3. ネアンデルタールの栄養生態…エネルギー摂取量、消費量、ロコモーション(歩行効率)

1. ネアンデルタールのライフステージ…思春期スパート、成長パターンの推定:思春期スパートの有無、子ども期(離乳からスパート開始時まで)の長さを検討する。
2. ネアンデルタールの寒冷適応…基礎代謝量・筋肉量の推定:ネアンデルタールが居住していた環境から外気温を割り出し、基礎代謝量を推定する。また、基礎代謝量は筋肉量に比例するためネアンデルタールの筋肉量を推定し、寒冷適応の要因を解明する。
3. ネアンデルタールの栄養生態…エネルギー摂取量、消費量、ロコモーション(歩行効率):狩猟採集民の狩猟活動のエネルギーコスト、狩猟活動に従事する時間をベースとしてネアンデルタールのエネルギー必要量を推定する。

■2013年度研究実施計画
【研究目的】
平成25年度は、第1期招待研究で取り組んできたピグミー系狩猟採集民(BAKA)の子どもを対象として継続調査を行う。とくに、狩猟採集民の子どもの「成長」、「エネルギー代謝」、「行動」に焦点をあてる。

【研究方法】
1.「成長」…身体計測を継続し、縦断データを収集する。成長曲線の解析による「子ども期間」(開始、終了、年数)を算出する。
2.「エネルギー代謝」…呼気ガス分析計を用いて、子どもの安静時代謝量を測定する。安静時代謝量から基礎代謝量を推定する。
3.「行動」…思春期スパート開始時の前と後で2 群に分けて、行動パターンを調べる。個体追跡とGPS による位置情報モニタリングを併用し、子どもの行動に関する定量データを収集・解析する。

■関連業績
【口頭発表】
  • Yamauchi T, Hagino I
    2012 Estimation of the period of childhood and child growth characteristics of pygmy hunter-gatherers in southeast Cameroon. 2012 International Conference on Replacement of Neanderthals by Modern Humans: Testing Evolutionary Models of Learning, Tokyo, Japan, November 18-24.
  • Yamauchi T
    2012 Human ecological fieldwork on children in developing countries. International Symposium: East Asian Children's Health Posed by the Living Environments and Sustainable Society, Sapporo, Japan, October 15-16.
  • Yamauchi T, Uemura A, Pramono A, Mexitalia M
    2012 Influence of lifestyle changes during Ramadan fasting on the body weights of Indonesian adolescents. International Symposium: Impact of genetic and environment interaction to health and nutrition. Semarang, Indonesia, July 31.
  • Yamauchi T, Hagino I, Kawamura K, Sato H
    2011 Growth and nutritional status of Pygmy Hunter-gatherers in African rainforest. The 12th International Congress of Auxology. Mexico City, Mexico, September 5-9.
  • Yamauchi T, Kon S, Kubo H, Lekprichakul T, Sakurai T, and Umetsu C
    2011 Longitudinal monitoring survey on the growth and nutritional status of adults and children living in contrasting ecological zones in Zambia. Resilience2011: Second International Science and Policy Conference, Tempe, AZ, USA, March 11-16.
  • Yamauchi T, and Maeda C
    2011 Body size and blood pressure of adults: from the viewpoint of aging and seasonality. Health, Disease and Social Change in Guadalcanal, Solomon Islands. Research Finding Dissemination Workshop. Honiara, Solomon Islands, February 15-16.(招待講演)
  • Yamauchi T, Hayashi K, Kawamura K, and Sato H
    2011 Nutritional adaptation of Pygmy hunter-gatherers in Cameroon: from the viewpoint of body size, physical activity, and dietary intake. International Conference on Congo Basin Hunter-gatherers. Montpellier, France, September 22-24.
  • Yamauchi T, Yoshimura A, and Mexitalia M
    2010 Physical fitness and nutritional status of urban and rural school children in Indonesia. The 10th International Congress of Physiological Anthropology. Fremantle, Australia, September 9-12.
【雑誌掲載論文】
  • Hagino I, Hayashi K, Kawamura K, Sato H, Yamauchi T (2013) Adolescent growth spurt and growth pattern factors related to the short stature of pygmy hunter-gatherers of Southeast Cameroon. Annals of Human Biology, 40(1), 9-14.
  • Sato H, Kawamura K, Hayashi K, Inai H, Yamauchi T (2012) Addressing the wild yam question: how Baka hunter-gatherers acted and lived during two controlled foraging trips in the tropical rainforest of southeastern Cameroon. Anthropological Science, 120(2), 129-149.
  • Uemura A, Mexitalia M, Susanto JC, Yamauchi T (2012) Validating predictive factors for resting energy expenditure of adolescents in Indonesia. International Journal of Food Sciences and Nutrition, 63 (2), 145-152.
  • Furusawa T, Naka I, Yamauchi T , Natsuhara K, Kimura R, Nakazawa M, Ishida T, Nishida N, Eddie R, Ohtsuka R, Ohashi J (2011) The Serum Leptin Level and Body Mass Index in Melanesian and Micronesian Solomon Islanders: Focus on Genetic Factors and Urbanization. American Journal of Human Biology, 23(4), 435-444.
  • Yamauchi T, Nakazawa M, Ohmae H, Kamei K, Sato K, and Bakote'e B
    2010 Impact of ethnic conflict on the nutritional status and quality of life of suburban villagers in the Solomon Islands. Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 56 (4), 227-234.
  • Yamauchi T , Lekprichakul T, Sakurai T, Kanno H, Umetsu C, and Sokotela S
    2008 Training local health assistants for a community health survey in a developing country: longitudinal monitoring of the growth and nutrition of children in Zambia. Journal of Higher Education and Lifelong Learning. 16, 67-75.
【著書・同掲載論文】
  • Yamauchi T and Hagino I
    2012 Fitness and health of hunter-gatherer children from the viewpoint of playing activity and diet. RNMH Project series No.001. 60-61. RNMH Project Group, Research Institute, Kochi University of Technology.
  • Yamauchi T, Kubo H, Kon S, Lekprichakul T, Sakurai T, and Kanno H
    2011 Growth and nutritional satus of Tonga children in rural Zambia. Vulnerability and Resilience of Social-Ecological Systems, 104-111. Research Institute for Humanity and Nature.
  • Yamauchi T, and Kon S
    2010 Variation in the nutritional status of adults living in contrasting ecological zones in the southern province of Zambia. Vulnerability and Resilience of Social-Ecological Systems, 45-52. Research Institute for Humanity and Nature.
  • 山内太郎
    2009「環境と身体の多様性―成長・栄養とライフスタイル」『オセアニア学』京都大学学術出版会. 215-225
  • Yamauchi T, Ishimori D, Nakazawa M, Kawabe T, and Ohtsuka R
    2009 Influence of socioeconomic and genetic factors on the growth and nutritional status of Pacific Islander adolescents. In Ashizawa K, Cameron N (eds.) Human growth in a changing lifestyle. 47-56. Smith-Gordon.
  • Yamauchi T, Hayashi K, Kawamura K, Sato H
    2009 Nutritional status, physical activity, and dietary intake of Pygmy huntergatherers in Cameroon. In Louts T, Reitenbach M, Molenbroek J (eds.) Human Diversity: design for life. 9th International Congress of Physiological Anthropology Proceedings, 78-81. University of Technology, Delft.
  • Yamauchi T
    2009 Growth and nutritional status of children and adults living in contrasting ecological zones in the southern province of Zambia. Vulnerability and Resilience of Social-Ecological Systems, 41-49. Research Institute for Humanity and Nature.

研究課題名:認知能力と学習についての進化モデルの構築
研究代表者:中丸麻由子
所属・職名:東京工業大学・大学院社会理工学研究科・准教授

■全体研究計画(2013-2014)
【研究目的】
学習と認知能力は非常に深いつながりがある。しかし、従来の学習の進化モデルでは、認知能力との関係は仮定せず、例えば学習した文化形質は完全に記憶して適切に利用しているという前提の下で研究が進んできた。このようなシンプル化によって、例えばB01班や海外の研究者たちは変動環境下における社会学習と個体学習の進化条件を探る研究を進めている。一方、ネアンデルタールとサピエンスでは認知能力が異なっており、その結果学習の仕方や社会構造にも相違が生じていたかもしれない。これらの事を示すには認知能力をモデルに仮定する必要があると考える。 そこで申請者は認知能力と学習の進化についてのエージェントベースモデルを構築し進化シミュレーションを行う。サピエンスの認知能力としては、認知心理学の知見などをもとにしてモデルを構築する。認知能力の内、まずは記憶やメタ記憶について焦点を当てる。つまり、学習した内容を記憶し、未来において想起する必要がある事を記憶する。そしてしかるべき場面において記憶を想起し、実行に移すのである。この一連のプロセスによって学習した事柄が適応度に影響するのである。このような状態遷移をオートマトンによって表現し、必要に応じて神経系をモデル化したニューラルネットワークモデルも用いる。
そしてこの基本的モデルを元に、他の班の知見(ネアンデルタールの脳機能の復元や学習方法についての研究)を踏まえて、ネアンデルタールの認知モデルも構築する。
認知と学習の進化を発展させ、ネアンデルタールの社会についてのシミュレーション研究にも繋げる。

【研究方法】
平成25年度は、現代人についての認知能力に関する研究を元にして、サピエンスに関するモデルを構築する。
具体的には次の通りである。認知能力の中でも、まずは記憶と想起に着目したエージェントベースモデルを構築し、進化シミュレーションを行う。エージェントはオートマトンによって状態を遷移させると仮定する。この基本モデルを元にシミュレーションモデルや可能であれば数理モデルを構築し、このモデルでは足りないものを検討する。そして、基本的なモデルを完成させる。
次に基本モデルをベースにして、学習(個体学習、社会学習)あるいは、学習せずに遺伝決定的な行動の方が適応的なのかを検討する。
現代人では上記のプロセス以外にも様々な高度な認知システムを用いている。それもこの基本モデルに入れこみ、そのような高度な認知システムによって、集団全体の進化ダイナミクスがどう変化するのかも確認する。
上記の研究手法(オートマトンのエージェントシミュレーション)に加えて、神経系を上手く模しているニューラルネットワークによる研究も行う。
平成26年度はネアンデルタールのモデルを構築する。そしてネアンデルタールとサピエンスの認知能力の違いが学習方法の違いに及ぼす影響や、社会性の違いについても検討する。

■2013年度研究実施計画
【研究目的】
学習には様々な認知能力が絡んでいる。つまり、学習した内容を脳の中で知識化を行い、記憶として保持する必要がある。学習した時点から未来の時点において、適切な場面で学習した事を想起し、想起した内容をつなぎ合わせて知識を再構築し、行動するのである。このためには記憶した事を記憶しつづけなければならない。適切な時期や場所であると判断し、学習した内容を実行して初めて学習によって適応度が上がる。これらのプロセスにはメタ認知が絡んでくる。つまり、学習の能力の進化には記憶能力(短期記憶、長期記憶)の進化や適切に判断か可能となる能力(メタ認知)などの認知能力が前提となるのである。
学習と認知能力の関係についてエージェントベースシミュレーション構築する。学習に関係する認知能力としては例えば、記憶(短期記憶、長期記憶、展望記憶など)や忘却、メタ認知(記憶などのコントロールやモニタリングを行う)、適切な場面での知識の想起および実行の判断である。H25年度は記憶と学習に着目してモデルを構築する。
学習するにあたり高次の認知能力が進化上必要であった条件とは何か、エージェントベースシミュレーションによって検討する。

【研究計画】
認知心理学や脳神経科学の知見を参考にして、短期記憶と長期記憶が学習に及ぼす影響について、オートマトンのエージェントベースシミュレーションを手法とし、進化シミュレーションを行う。


研究課題名:芸術の誕生と交替劇

研究代表者:堀内史朗
所属・職名:芝浦工業大学教育イノベーション推進センター・特任准教授

■全体研究計画 (2013-2014)
【研究目的】
旧人に見られない新人の特徴として、遠く離れた集団間の交流(以下、遠距離交流)が挙げられる。
これまで遠距離交流は、新人の高い認知能力の指標として考えられてきた。
しかし、いっぱんに霊長類では、異なる集団間関係は敵対的である。
新人が異集団に対して寛容な理由は、高い認知能力とは別の観点から考える必要がある。
いっぽう、旧人に見られない新人の他の特徴として、壁画・装身具・楽器などの芸術遺跡(以下、芸術文化)を挙げることができる。
本研究は、環境変動が激しく、他集団からの社会学習が必要となる場合に、芸術文化が集団間交流のメディアとして進化し、それが機縁となって交流の規模が大きくなっていくという仮説をたてる。
芸術文化と遠距離交流に共進化を背景として、新人における高速な文化進化を説明することを目的とする。

【研究方法】
本研究を進めるにあたって、以下の三つの手法を併用する。
(1)エージェントベースモデルによる、遠距離交流と芸術文化の共進化メカニズムの解明。
(2)おもに芸術祭を対象としたフィールドワークによる、芸術家の成長メカニズムの解明。
(3)地理情報システムによる、芸術遺跡の発見モデルの構築。

■2013年度研究実施計画
【研究目的】
2013年度は、計算機実験とフィールドワークをおこなうことで、どのような環境条件において芸術文化が進化し易いかを特定する。
来年度の地理分析をおこなうにあたって必要となるパラメーターの推定をおこなう。

【研究方法】
2013年度は方法に挙げた(1)計算機実験(2)フィールドワークを集中しておこなう。

計算機実験は以下のようなものである。
エージェントは、いま現在もつ資源を、生活文化と芸術文化に割り振る。
生活文化に多くの資源を割り振ることで、その場所に適した行動(石器など)の集団内での社会学習と個体学習が進む。
芸術文化に多くの資源を割り振ることで、遠く離れた場所にいる他集団から生活文化を社会学習できるようになる。
環境変動が小規模なら、各集団ですでに確立した生活文化を社会学習で継承し、個体学習で微修正すればよい。
環境変動が大規模なら、遠く離れた集団から最適な生活文化を習得するために芸術文化を獲得する必要がある。
以上のような仮定の下に、計算機実験をおこなう。

フィールドワークは以下のようなものである。
地域で継承されてきた芸能の中には、よそから観客を招くことで、外部の視線に耐えうる芸術へ昇華したものがある。
すでにこれまでの研究で、芸術を担う芸術家への聞き取り調査を、神楽を題材にしておこなってきた。
今年度は、多彩な芸術家が集結する芸術祭を訪れ、芸術家が他の芸術家や観客との相互作用を経て、どのように自身の芸術やコミュニケーションスキルを向上させてきたか、現地での聞き取り調査や参与観察をおこなうことで明らかにする。

■関連業績
【口頭発表】
  • 堀内史朗
    2013「資源分布と交流の起源」シンポジウム2「社会ネットワーク・交流」にて 交替劇2012年度秋季大会.東京.2013.1.12-14.
  • Horiuchi S, Kubota S
    2012 The effects of cross-boundary rituals on cultural accumulation. 2012 International Conference on Replacement of Neanderthals by Modern Humans: Testing Evolutionary Models of Learning.Tokyo.2012.11.18-24.
  • 堀内史朗
    2012「マツリが活性化するメカニズムの分析:地区外への開放性影響」 第54回数理社会学会大会.神奈川.2012.8.30-31.
  • 堀内史朗
    2012「祭殿拡大メカニズムの分析計画」 交替劇2012年度春季大会.東京.2012.4.14-16.
  • 堀内史朗
    2012「世の初めから開かれている場所:エージェントベースモデルによるマツリの分析」 第53回数理社会学会大会.鹿児島.2012.3.14-15.
  • 堀内史朗
    2011「地域間交流が文化の蓄積を促進する」 交替劇2011年度秋季大会.愛知.2011.12.10-11.
  • Shiro Horiuchi
    2011 Diversity of local cultures maintained by agents' movements between local societies. The 7th Conference of The European Social Simulation Association. Montpellier.France.2011.9.19-23.
  • 堀内史朗
    2011「ユートピアの誕生と崩壊:チキンゲームによる分析」 第52回数理社会学会大会.長野.2011.9.5-7.
  • 堀内史朗
    2011「地域間交流が新文化を創発するメカニズムの解明」 交替劇2011年度春季大会.東京.2011.4.23-24.
【雑誌掲載論文】
  • Shiro Horiuchi (2012) "Emergence and persistence of communities: Analysis by means of a revised hawk-dove game." 理論と方法 27: 299-306.
  • Shiro Horiuchi (2012) "Community creation by residents and tourists via Takachiho kagura in Japanese rural area." Sociology Mind 2: 306-312.
  • Wataru Nakahashi, Shiro Horiuchi (2012) "Evolution of ape and human mating systems."Journal of Theoretical Biology 296: 56-64.
  • Shiro Horiuchi, Hiroyuki Takasaki (2012) "Boundary nature induces greater group size and group density in habitat edges: an agent-based model revealed."Population Ecology 54: 197-203.
  • 堀内史朗(2011)「コミュニティ形成に資する仲介者の性質:エージェント・ベース・モデルによる分析」理論と方法 26: 51-66
【著書・同掲載論文】
  • Shiro Horiuchi, Yusuke Kanazawa, Takahisa Suzuki, Hiroki Takikawa (2013) "Who gain resources from which social capital? A mathematical review." In: Social Capital: Theory, Measurement and Outcome (pp. 3-28), Nova Publisher.
  • 堀内史朗(2013)「資源分布と交流の起源」青木健一編『交替劇』No.3:55-65.研究項目B01班2012年度研究報告書.
  • Shiro Horiuchi (2012) "The boundary between 'bad' and 'good' outsiders and the construction of unifying elements underpinning rural communities." In: Advances in Sociology Research 12 (pp. 235-249), Nova Publisher.
  • 堀内史朗(2012)「集団間交流が文化蓄積速度に与える影響」青木健一編『交替劇』No.2:61-71.研究項目B01班2011年度研究報告書.

研究課題名:精神疾患から紐解く新人と旧人の学習能力の違い
研究代表者:早川 敏之
所属・職名:京都大学・霊長類研究所・助教

■全体研究計画(2013-2014)
【研究目的】
学習には、実体験からの個人的な学習と、他者とのコミュニケーションに立脚した集団社会での学習があるが、世代を越えて文化や文明を伝えていくホモ・サピエンスには、とりわけコミュニケーションによる集団社会での学習が重要である。統合失調症は、他者とのコミュニケーションに障害が生じ、集団社会での学習に関わると考えられる。この統合失調症のリスク回避に役立つとみられる分子に、ヒト特異的に脳ミクログリアでの発現を獲得し、神経保護機能をもつ、シアル酸受容体Siglec-11がある。
Siglec-11のヒト特異的な脳での発現獲得は、約100万年前、Siglec-11遺伝子に脳での発現を獲得する変異が生じたためとみられ、この脳発現変異の出現は、サピエンス(新人)とネアンデルタール人(旧人)の分岐(約90万年前)の直前である。このため、脳発現変異は新人でのみ固定しており、新人のみ統合失調症的な状態を克服し集団としての学習能力を発達させ、その結果生み出された新人と旧人の集団としての学習能力の違いが、それら人類の交替劇の一因となったと考えることができる。本研究はこの仮説を検証することで、新人と旧人の交替劇の要因が、集団としての学習能力の違いであったことを、分子レベルで検討するものである。

【研究方法】
本研究では、コーカソイド、モンゴロイド、ネグロイドの3人種を網羅する世界規模のヒト集団サンプルにて、Siglec-11遺伝子全長のハプロタイプを同定し、ハプロタイプ系統樹の作成、ハプロタイプの共通祖先年代(TMRCA)の推定や、さまざまな集団遺伝学的パラメータの計算をおこなう。その後、得られた情報から、シミュレーションにより脳発現変異の固定における自然選択の効果を調べ、新人の集団でのみ脳発現変異が固定していることを検証する。

■2013年度研究実施計画
【研究目的】
世界規模のヒト集団サンプルを対象に、Siglec-11遺伝子全長のハプロタイプの同定をおこなう。

【研究方法】
ハプロタイプの同定は、ゲノムDNAを鋳型にPCRにて遺伝子断片を得た後、PCR断片のプラスミドへのサブクローニングにてハプロタイプを分離し、塩基配列を決定することでおこなう。

■関連業績
【口頭発表】
  • 早川敏之、安形高志、Ajit Varki
    「シアル酸受容体Siglec-11/Siglec-16と遺伝子変換」『日本進化学会第14回大会』東京 2012.8.21-24.
  • 早川敏之、Nivedita Mitra、Xiaoxia Wang、Nissi Varki、Ajit Varki
    「ヒト系統におけるシアル酸受容体Siglec-11の進化」『第28回日本霊長類学会大会』名古屋 2012.7.6-8.
  • 早川敏之、Nivedita Mitra、Xiaoxia Wang、Nissi Varki、Ajit Varki
    「ヒト系統におけるシアル酸受容体Siglec-11の進化」『日本進化学会第13回大会』京都 2011.7.29-31.
  • Hayakawa T. 2010 Evolution of sialic acid biology in the primate lineage.
    International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010. Kyoto (Kyoto), Japan, September 12-18.
  • Hadyakawa T. 2010 Evolution of sialic acid biology in primates.
    Hominization conference 2009 Primate Genomics for Globalization of Collaboration Program: Post-genome biology of primates as the hub-research for understanding our species and neighbors. Aichi (Inuyama), Japan, March 4-6.
  • 早川敏之
    「ヒト系統におけるシアル酸関連分子の進化 ワークショップ"ゲノム解析から見える自然選択"」『日本進化学会第10回大会』東京 2008.8.22-24.

【雑誌掲載論文】
  • Wang X., Mitra N., Cruz P., Deng L., NISC Comparative Sequencing Program, Varki N., Angata T., Green E.D., Mullikin J., Hayakawa T., Varki A. 2012 Evolution of Siglec-11 and Siglec-16 genes in Hominins. Mol. Biol. Evol. 29: 2073-2086.
  • Altheide T. K., Hayakawa T., Mikkelsen T. S., Diaz S., Varki N., Varki A.
    2006 System-wide genomic and biochemical comparisons of sialic acid biology among primates and rodents: Evidence for two modes of rapid evolution. J. Biol. Chem. 281: 25689-25702.
  • Hayakawa T., Angata T., Lewis A. L., Mikkelsen T. S., Varki N. M., Varki A.
    2005 A human-specific gene in microglia. Science 309: 1693.
  • The Chimpanzee Sequencing and Analysis Consortium 2005 Initial sequence of the chimpanzee genome and comparison with the human genome. Nature 437: 69-87.

【著書(分担執筆)】
  • 早川敏之
    2012 「糖鎖からみた霊長類の多様性と進化」『新・霊長類学のすすめ(京都大学霊長類研究所 編)』丸善出版 125-142.
  • Hayakawa T. and Varki A.
    2012 Human-specific Changes in Sialic Acid Biology. In Hirai H., Imai H., Go Y. (eds.) Post-Genome Biology of Primates, Primatology Monographs. 123-148. Springer.


研究課題名:大気海洋大循環モデルと陸域生態系モデルを用いた古植生分布再現とその不確実性評価
研究代表者:大石龍太
所属・職名:国立極地研究所/東京大学大気海洋研究所・特任研究員

■全体研究計画(2013-2014)
【研究目的】
ネアンデルタールと現生人類の交替が起きた20 万~3 万年前のうち、6 万~3万年前の最終氷期後期における古植生分布の再現を目指す。手法は数値シミュレーションを採用し、B02 班で行われている大気大循環モデルを用いた古気候再現実験の結果を用い、全球の植生分布を推定可能な数理的モデル(全球動態植生モデル)の入力とすることで、地質学的証拠のみでは困難である古植生相の面的な分布の再現を行う。また、地質学的証拠との比較によって再現結果の信頼性を評価し、B02 班の遺跡分布推定との地理情報システム上での協働に耐えうる確実性を持つか否かを判断する。

【研究方法】
B02班で行われている大気海洋大循環モデルによる古気候再現実験を入力として使用し、差分法を用いて高解像度での陸域植生分布再現数値シミュレーションを行う。古環境指標から再現された過去の植生分布とシミュレーション結果の比較を行い、信頼性評価を行う。

■2013年度研究実施計画
【研究目的】
顕著な温暖期-寒冷期が見られた3万年前と7万年前を対象として、植生分布再現実験と、古環境指標との比較を行い、シミュレーション結果の再現性を確認する。

【研究方法】
(1)古気候再現実験結果の気温と降水量を、現在再現実験との差分を取り、CRU観測値(0.5°格子)の気温と降水量に対して補間・加算して入力値を整備する。これを陸域生態系モデルLPJ-DGVMの入力とすることで、当時の植生分布を0.5°格子で再現する。
(2)堆積物等の古環境指標から再現された当時の植生分布と比較して、数値シミュレーション結果の信頼性を検証する。

■関連業績
【口頭発表】
  • 大石 龍太, 新田友子,高田久美子,末吉哲,G. E. Liston,阿部彩子,4倍大気二酸化炭素時の温暖化と極域増幅に対するサブグリッド積雪分布の寄与,日本地球惑星科学連合2013年大会,ACG38-04
  • R. O'ishi and A. Abe-Ouchi, How vegetation change contribute to polar amplification in warm climate?, The Third International Symposium on the Arctic Research (ISAR-3), Jan 14-17, 2013, Tokyo, Japan
  • 大石龍太,阿部彩子,温暖環境における植生変化がPolar-amplificationに及ぼす影響, 2012年度古海洋シンポジウム,Jan7-8, 2013, 柏
  • 大石龍太,阿部彩子,温暖環境における植生変化がPolar-amplificationに及ぼす影響,日本気象学会2012年度秋季大会D312

【著書・同掲載論文】
  • O'ishi, R. and A. Abe-Ouchi (2012), Influence of dynamic vegetation on climate change and terrestrial carbon storage in the Last Glacial Maximum, Clim. Past Discuss., 8, 5787-5816, 2012
  • Sueyoshi, T., R. Ohgaito, A. Yamamoto, M. O. Chikamoto, T. Hajima, H. Okajima, M. Yoshimori, M. Abe, R. O'ishi, F. Saito, S. Watanabe, M. Kawamiya, and A. Abe-Ouchi (2012), Setup of the PMIP3 paleoclimate experiments conducted using an Earth System Model, MIROC-ESM, Geosci. Model Dev. Discuss., 5, 2527-2569, 2012, doi:10.5194/gmdd-5-2527-2012
  • Lambert, F., J.-S. Kug, R.-J. Park, N. Mahowald, G. Winckler, A. Abe-Ouchi, R. O'ishi, T. Takemura and J. -H. Lee (2013), The role of mineral dust aerosols in polar temperature amplification, Nature Climate Change, 3, 487-491, 2013, DOI: 10.1038/NCLIMATE1785.
  • O'ishi, R., and A. Abe-Ouchi (2011), Polar amplification in the mid-Holocene derived from dynamical vegetation change with a GCM, Geophysical Research Letters, 38, L14702, doi: 10.1029/2011GL048001.
  • Takemura, T., M. Egashira, K. Matsuzawa, H, Ichijo, R. O'ishi, and A. Abe-Ouchi (2009), A simulation of the global distribution and radiative forcing of soil dust aerosols at the Last Glacial Maximum, Atmospheric Chemistry and Physics, 9, 3061-3073


研究課題名:頭蓋と脳形態の相関に関する研究:化石人類の脳区分推定に向けて
研究代表者:小林 靖
所属・職名:防衛医科大学校・解剖学講座・教授

■全体研究計画(2013-2014)
【研究目的】
ヒトを含めた現生種の頭蓋と脳の相関を解析することにより、頭蓋の鋳型から脳区分を推測する指標を開発する。

【研究方法】
2011年から2012年の2年間は、頭蓋のどのような特徴が脳区分の推定に有効かを探索した。その結果、おもにカニクイザルにおける解析から、A) 頭蓋内面の圧痕と脳溝・脳回との間に明瞭な対応関係が観察されること、B) 冠状縫合の下部の位置と中心前溝の下部(サルでは弓状溝下脚)の位置との間に密接な相関が存在することを見出した。そこで2013年と2014年において、これらの所見を現生人類と他の真猿類や類人猿において検証し、化石人類の頭蓋から脳区分を推定するための方法を開発する。とくに解剖実習用献体における薄層エンドキャストを用いた解析、ならびに霊長類の頭部固定標本や頭蓋標本のCT計測による解析を行う。

■2013年度研究実施計画
【研究目的】
A. 霊長類の頭部固定標本において、頭蓋内面の圧痕と脳溝・脳回との対応関係を検証する。
B. 霊長類頭部固定標本、頭蓋標本、解剖実習用献体において、冠状縫合の位置と中心前溝の位置との相関関係を検証する。

【研究方法】
A. 頭蓋内面の圧痕に基づく脳溝・脳回の同定
材料として、カニクイザル頭部の固定標本とカニクイザルやヒトを含む霊長類の骨格標本を使用する。カニクイザルの頭部標本は平成24 年までに5 例の解析を終了した。これは当初の予定以上の成果であり、そこから今回の研究項目A が具体化した。平成25 年度には、過去に灌流固定済みのホルマリン浸漬標本を5 例程度追加してCT 計測と解析を実施する。これによって、単に頭蓋内面の圧痕と脳溝・脳回との対応関係を確認するだけでなく、脳溝の個体差がどの程度圧痕に反映されているかを定量的に検討する。他の霊長類の骨格標本とヒト幼児の骨格標本についても可能な限り範囲を広げて計測と解析を行う。またコンピュータ上での動脈溝消去法の開発を並行して進める。
B. 冠状縫合の位置に基づく中心前溝の位置の推定
材料として、カニクイザル頭部の固定標本、ヒトの解剖体標本、ヒトの医療画像を使用する。(A)において25年度に追加解析を予定しているホルマリン浸漬標本で、冠状縫合と弓状溝下脚の相関も解析する。ただし、長期間保存されていた標本の場合、固定により脳が収縮している可能性もあるため、相関の解釈には慎重な検討を要する。ヒトの解剖体標本のデータ収集は、平成25 年度中に約60 例に達する見込みであり、縫合と脳溝の相関の解析を継続する。医療画像の解析は、解像度の問題、CT とMRI の両方が揃っている症例に限りがある点で困難が大きいが、症例を収集しながら解析を本格化させる。

■関連業績
【口頭発表】
  • 小林靖
    2011 頭蓋形態から脳区分を推測するための指標の開発 - 研究計画. ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究第3 回研究大会, 東京
  • 小林靖
    2011 頭蓋形態から脳区分を推測するための指標の開発 - カニクイザルの頭蓋と脳. ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究第4 回研究大会, 岡崎
  • 松井利康, 小林靖
    2012 頭蓋形態から脳区分を推測するための指標の開発 - ヒト幼児の頭蓋. ネアンデルタールとサピ エンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究第5回研究大会, 東京
  • Yasushi Kobayashi, Toshiyasu Matsui, Yoshinori Haizuka, Naomichi Ogihara, Naoki Hirai, George Matsumura
    2012 Evaluating cortical subdivisions using monkey skulls. The 35th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society, Nagoya
  • 小林靖, 道川隆士, 松井利康, 大竹豊, 鈴木宏正
    2012 ヒトにおける頭蓋内面の圧痕と脳表面との相関. 日本解剖学会関東支部第100 回学術集会, 東京
  • 小林靖, 松井利康, 灰塚嘉典, 荻原直道, 平井直樹, 松村讓兒
    2012 マカクザルにおける頭蓋内面の圧痕と脳表面との相関. 第66 回日本人類学会大会, 横浜
  • Yasushi Kobayashi, Matsui Toshiyasu, Yoshinori Haizuka, Naomichi Ogihara, Naoki Hirai, George Matsumura
    2012 Cerebral sulci and gyri observed on macaque endocasts. RNMH2012: The first international conference of "Replacement of Neanderthals by Modern Humans", Tokyo, RNMH2012:pp.72-73
  • 小林靖, 松井利康, 道川隆士, 荻原直道, 鈴木宏正
    2013 頭蓋形態に基づく脳区分の推定 - これまでの成果. ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相: 学習能力の進化に基づく実証的研究第6 回研究大会, 東京
【雑誌掲載論文】
  • Yasushi Satoh, Yasushi Kobayashi, Gilles Pages, Jacques Pouyssegur, Kazama Tomiei
    2011 Deletion of ERK1 and ERK2 in the CNS causes cortical abnormalities and neonatal lethality: Erk1deficiency enhances the impairment of neurogenesis in Erk2-deficient mice. Journal of Neuroscience 31(3): 1149-1155.
  • Yasushi Satoh, Shogo Endo, Takahiro Nakata, Yasushi Kobayashi, Kazuyuki Yamada, Toshio Ikeda, Takeshi Hiramoto, Yasuhiro Watanabe, Kazama Tomiei
    2011 ERK2 Contributes to the Control of Social Behaviors in Mice. Journal of Neuroscience 31(33): 11953-11967.
  • 小林靖
    2011「特集大脳辺縁系再考 - 辺縁系皮質研究の進展」『分子精神医学』11(1): 2-7.
  • 小林靖
    2011 帯状回 - 皮質構造と線維結合. Brain and Nerve(神経研究の進歩) 63(5): 473-482.
  • 小林靖,寺田純雄
    2011神経解剖学の見方、考え方:脳の発生と区分(1). Clinical Neuroscience 29 (5): p.492-493.
  • 小林靖,寺田純雄
    2011神経解剖学の見方、考え方:脳の発生と区分(2). Clinical Neuroscience 29 (6): p.612-613.
  • 小林靖,寺田純雄
    2011神経解剖学の見方、考え方:脳神経の発生と区分(1). Clinical Neuroscience 29 (7): p.728-729.
  • 小林靖,寺田純雄
    2011神経解剖学の見方、考え方:脳神経の発生と区分(2). Clinical Neuroscience 29 (8): p.856-857.
【著書・同掲載論文】
  • Yasushi Kobayashi, Matsui Toshiyasu, Yoshinori Haizuka, Naomichi Ogihara, Naoki Hirai, George Matsumura
    2013 Cerebral sulci and gyri observed on macaque endocasts. In Akazawa, T. ed, Dynamics of Learning in Neanderthals and Modern Humans. Vol. 2, Cognitive and Physical Perspectives. Springer, (in press)
  • Yasushi Kobayashi, Matsui Toshiyasu, Yoshinori Haizuka, Naomichi Ogihara, Naoki Hirai, George Matsumura
    2013 The coronal suture as an indicator of the caudal border of the macaque monkey prefrontal cortex. In Akazawa, T. ed, Dynamics of Learning in Neanderthals and Modern Humans. Vol. 2, Cognitive and Physical Perspectives. Springer, (in press)


研究課題名:飽きに対する対処戦略の神経基盤と創造性・学習能力との関連の解明
研究代表者:杉浦 元亮
所属・職名:東北大学・加齢医学研究所・准教授

■全体研究計画(2013-2014)
【研究目的】
飽きは繰り返される刺激や作業に、自己の有能性や行為・状況の意義を見出せなくなったときに感じる特有の負の感情である。また飽き感情への前向きな対処には、外的状況を変える戦略と内的状況(すなわち自分の精神状態)を変える戦略があり、その個人差が創造性や学習能力とどう関連するかが興味深い。本研究では、飽きという感情やこれに対する対処戦略をホモ・サピエンスの学習能力や創造性を説明する精神活動の有力候補と考え、その脳機能マッピングを通じて本研究領域で推進する化石脳機能研究に貢献する。

【研究方法】
健常成人被験者を対象に機能的MRIを用いた脳マッピング研究を行い、飽き感情とこれに対する2種類の対処戦略の神経基盤を明らかにするとともに、脳活動を指標に対処戦略の個人差と創造性・学習能力の関係性を解明する。

■2013年度研究実施計画
【研究目的】
健常成人被験者を対象に機能的MRIを用いた脳マッピング研究を行い、飽き感情とこれに対する2種類の対処戦略の神経基盤を明らかにする。

【研究方法】
(1)機能的MRI課題の最適化を行う。健常大学生被験者に同じ視覚刺激(静止画)の鑑賞を反復させる試行を中心に、刺激に飽きてきた状況で新しい刺激への変更が可能な条件と不可能な条件を設定し、「飽き」感情とこれに対する2つの対処戦略に関わる脳活動を独立して抽出できる課題デザインを確立する。
(2)確立した課題を用いて脳活動計測実験・データ解析・成果発表を行う。

■関連業績
【口頭発表】
  • 杉浦 元亮
    2013「実社会での向社会的行動と自己概念—fMRI研究—」『生理研研究会 第2回社会神経科学研究会』岡崎、2013.2.1
  • Sugiura M
    2012. Individual difference in self-concept and pro-social behavior: a functional neuroimaging approach. The Structure of Creditions: Memory, Space of Action, and Social Binding, Graz, Austria. 2012.11.30
【雑誌掲載論文】
  • 杉浦元亮
    2010「自己と他者—社会脳科学の新しい枠組み」『Brain and Nerve』62: 1067-1074.
  • Sugiura M, Wakusawa K, Sekiguchi A, Sassa Y, Jeong H, Horie K, Sato S, Kawashima R.
    2009. Extraction of situational meaning by integrating multiple meanings in a complex environment: a functional MRI study. Human Brain Mapping. 30: 2678-2688.
【著書・同掲載論文】
  • 杉浦元亮
    2013「'自分の顔'に魅せられて—本当は怖い自己顔認知の脳イメージング研究」 山口真美,柿木隆介 編『顔を科学する 適応と障害の脳科学』203-222. 東京大学出版会
  • Sugiura M
    2012. A cognitive neuroscience approach to self and mental health. in Biomedical Engineering and Cognitive Neuroscience for Healthcare: Interdisciplinary Applications (Wu J, ed.). 1-10. Medical Information Science Reference, Hershey PA


研究課題名:学習意欲と疲労耐性による強化学習の神経基盤研究
研究代表者:水野 敬

所属・職名:理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター 健康・病態科学研究チーム・基礎科学特別研究員
大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座・特任講師

■全体研究計画(2013-2014)
【研究目的】
旧人・新人の学習能力差を、学習行動を司る神経基盤の形態差に基づいて比較検証する手法は大変興味深い。旧人の化石脳復元により両者間の形態学的な違いを明らかにし、現生人類を対象とした心理生理学的手法に基づく社会学習と個体学習機能の脳局在と、その形態差の比較検討により、旧人と新人の学習能力差を立証できると考えられる。当該領域研究は、社会学習に関しては模倣学習の神経基盤、個体学習に関しては思考錯誤を通じて報酬を手掛かりに環境に適応する学習制御(強化学習)の神経基盤に焦点を当てる。さらに、個体学習においては、学習の強化因子として社会報酬(他者からの承認・賞賛)を挙げ、その効果を検証するモデルを提案している。本研究では、学習意欲と疲労の神経基盤研究の成果を活用し、学習行動に直結する学習意欲、および学習の持続性に寄与する疲労耐性による個体学習強化の神経基盤を解明し、その神経基盤を担う脳部位が、旧人と新人の形態学的差によって特徴づけられる部位であるか、当該領域研究との連携により検証することを目的とする。

【研究方法】
学習意欲または疲労耐性による強化学習の神経基盤を探る研究を実施する。学習関連課題遂行中の脳活動と自律神経活動の同時計測をMRI環境下で行う。学習関連脳部位と疲労関連脳部位の活性度・機能的結合度、両部位の灰白質体積量と白質連合線維束の走行状態、自律神経活動による情動反応等の相関関係を検討し、脳機能と脳形態の両側面から研究を進める。

■2013年度研究実施計画
【研究目的】
旧人・新人の学習能力差に関する学習行動を司る神経基盤の形態差に基づく比較解剖的検証研究の一環として、本研究では、疲労耐性による強化学習の神経基盤を機能的MRIにより明らかにすることを目的とする。

【研究方法】
学習関連課題遂行中の脳活動と自律神経活動の同時計測をMRI環境下で行う。学習関連脳部位と疲労関連脳部位の活性度・機能的結合度、両部位の灰白質体積量と白質連合線維束の走行状態、自律神経活動による情動反応等の相関関係を検討する。

■関連業績
【口頭発表】
2013
  • Mizuno, K., K. Tajima, J. Kawatani, T. Joudoi, T. Yoneda, A. Tomoda and Y. Watanabe
    2013 Low striatal activity during reward perception caused by adolescent chronic fatigue. The 35th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society (Neuro 2013), Kyoto, Japan, June 20.
  • 水野 敬
    2013「小児の疲労・慢性疲労による意欲低下の神経基盤」『第9回日本疲労学会総会・学術集会』秋田、2013. 6. 8.
2012
  • Mizuno, K., K. Tajima and Y. Watanabe
    2012 Relationship between fatigue and brain activity during reward perception. Society for Neuroscience's 42nd annual meeting (Neuroscience 2012), New Orleans, October 17.
  • Mizuno, K., K. Tajima, T. Yoneda, A. Tomoda and Y. Watanabe
    2012 Decrease in the striatal activity during reward processing by adolescent fatigue. The 35th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society (Neuroscience 2012), Nagoya, Japan, September 19.
  • 水野 敬
    2012「疲労と意欲の神経基盤」『第8回日本疲労学会総会・学術集会』東京、2012. 6. 2.
2011
  • 水野 敬、渡辺恭良
    2011「疲労による自律神経機能の変調」『第64回日本自律神経学会総会』秋田、2011. 10. 28.
  • Mizuno, K., M. Tanaka, H. C. Tanabe, J. Kawatani, T. Jodoi, A. Tomoda, T. Miike, K. Imai-Matsumura, N. Sadato and Y. Watanabe
    2011 Divided attention and childhood chronic fatigue syndrome (CCFS) The 34th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society (Neuroscience 2011), Yokohama, Japan, September 17.
  • 水野 敬
    2011「小児慢性疲労症候群の脳機能低下のメカニズム」『第7回日本疲労学会総会・学術集会』名古屋、2011. 5. 21.
2010
  • Mizuno, K., M. Tanaka, T. Miike, K. Imai-Matsumura, N. Sadato and Y. Watanabe
    2010 Interdisciplinary research of neuroscience and education for elucidating the neural mechanisms of fatigue and motivation to learn in children and adolescents. The 16th Takeda Science Foundation Symposium on Bioscience "Casting light on life", Tokyo, Japan, December 1.
  • Mizuno, K., J. Kawatani, T. Jodoi, A. Tomoda and Y. Watanabe 2010 Excessive neural activation during divided attention processing in childhood chronic fatigue syndrome. American Academy of Children & Adolescent Psychiatry (AACAP) 57th Annual Meeting, New York, October 28.
  • Mizuno, K., H. C. Tanabe, M. Tanaka, N. Sadato and Y. Watanabe
    2010 Neurological relationship between divided attention and motivation: an fMRI study. The 33th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society (Neuro 2010), Kobe, Japan, September 3.
  • 水野 敬、田中雅彰、鴫原良仁、福田早苗、山野恵美、川谷淳子、上土井貴子、友田明美、三池輝久、松村京子、田邊宏樹、定藤規弘、渡辺恭良
    2010「小児慢性疲労症候群患児と健常児に共通する疲労と神経過剰賦活の関係」『第6回日本疲労学会総会・学 術集会』大阪、2010. 6. 26.
  • 水野 敬、川谷淳子、上土井貴子、友田明美、三池輝久
    2010「機能的MRIを用いた思春期の慢性疲労による注意配分機能低下の神経基盤に関する検討」『第52回日本小児神経学会総会』熊本、2010. 5. 21.
  • 水野 敬
    2010「小児の疲労と意欲の脳科学」『小児の疲労意欲研究セミナー』熊本、2010. 4. 23.
  • Mizuno, K.
    2010 Investigation of neural substrates associated with fatigue and motivation using functional neuroimaging. The Thirteenth Conference of Peace through Mind/Brain Science, Hamamatsu, Japan, February 23.
2009
  • Mizuno, K., M. Tanaka, J. Kawatani, T. Jodoi, A. Tomoda, T. Miike and Y. Watanabe
    2009 Attentional functions in childhood chronic fatigue syndrome. American Academy of Children & Adolescent Psychiatry (AACAP) 56th Annual Meeting, Honolulu, October 31.
  • Mizuno, K., H. C. Tanabe, M. Tanaka, Y. Shigihara, J. Kawatani, Jodoi T., A. Tomoda, T. Miike, K. Imai-Matsumura, N. Sadato and Y. Watanabe
    2009 Neural substrates associated with divided attention in childhood chronic fatigue syndrome. The 32nd Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society (Neuroscience 2009), Nagoya, Japan, September 18.
  • 水野 敬
    2009「小児・思春期の疲労による高次脳機能低下」『第5回日本疲労学会総会・学術集会』福岡、2009. 5. 16.
  • 鴫原良仁、田中雅彰、水野 敬、渡辺恭良
    2009「疲労と光過敏性の関係」『第5回日本疲労学会総会・学術集会』福岡、2009. 5. 16.
  • 田中雅彰、鴫原良仁、水野 敬、渡辺恭良
    2009「脳磁図を用いて明らかになった疲労の脳神経学的メカニズム」『第5回日本疲労学会総会・学術集会』福岡、2009. 5. 15.
  • Mizuno, K., M. Tanaka and Y. Watanabe: Selective and divided attention in childhood chronic fatigue syndrome. 9th International IACFS/ME Research and Clinical Conference, Nevada, March 14.
2008
  • Tanaka, M. K. Mizuno and Y. Watanabe
    2008 Functional neuroimaging on fatigue and motivation. The 51st Annual Meeting of the Japanese Society for Neurochemistry, Toyama, Japan, September 13.
  • Mizuno, K., M. Tanaka, S. Tajima, H. C. Tanabe, Y. Kataoka, H. Onoe, N. Sadato and Y. Watanabe
    2008 Neural substrates of motivation to learn and fatigue sensation. The 2008 World Molecular Imaging Congress, Nice, France, September 12.
  • Mizuno, K., M. Tanaka, H. C. Tanabe, H. Onoe, N. Sadato and Y. Watanabe
    2008 Neural substrates of academic achievement motivation related to neural mechanism of fatigue. International Conference on Fatigue Science, Okinawa, Japan, September 5.
  • Fukuda, S., E. Yamano, K. Mizuno, T. Joudoi, J. Kawatani, M. Tanaka, M. Takano, A. Tomoda, K. Imai-Matsumura, T. Miike and Y. Watanabe
    2008 Motivation for learning, fatigue and sleep; from the results of the cohort study. International Conference on Fatigue Science, Okinawa, Japan, September 5.
  • Fukuda, S., E. Yamano, T. Joudoi, K. Mizuno, M. Tanaka, J. Kawatani, M. Takano, A. Tomoda, K. Imai-Matsumura, T. Miike and Y. Watanabe
    2008 The association between effort-reward imbalance for learning and fatigue in school children. International Conference on Fatigue Science, Okinawa, Japan, September 5.
  • Shigihara, Y., M. Tanaka, K. Mizuno and Y. Watanabe
    2008 The relationship between fatigue and visual evoked cortical magnetic response. International Conference on Fatigue Science, Okinawa, Japan, September 5.
  • Tanaka, M., K. Mizuno, Y. Shigihara and Y. Watanabe
    2008 Neural mechanisms underlying chronic fatigue. International Conference on Fatigue Science, Okinawa, Japan, September 5.
  • Tanaka, M., K. Mizuno and Y. Watanabe
    2008 Neural deterioration of chronic fatigue syndrome. The 85th Annual Meeting of the Physiological Society of Japan, Okinawa, Japan, March 25.
  • 田中雅彰、水野 敬、福田早苗、高野美雪、山野恵美、川谷淳子、上土井貴子、友田明美、松村京子、三池輝久、渡辺恭良
    2008「小中学生の意欲・疲労と学習効率に関するコホート研究 -意欲・疲労と高次脳機能-」『第4回日本疲労学会総会・学術集会』熊本、2008. 2. 16.
  • 笹部哲也、山口浩二、水野 敬、古郷幹彦、倉恒弘彦、渡辺恭良
    2008「精神負荷作業時の脳波の変化について」『第4回日本疲労学会総会・学術集会』熊本、2008. 2. 16.
  • 水野 敬、田中雅彰、渡辺恭良
    2008「小児および成人における疲労と脳機能の関係」『第4回日本疲労学会総会・学術集会』熊本、2008. 2. 15.
2007
  • 笹部哲也、山口浩二、水野 敬、古郷幹彦、倉恒弘彦、渡辺恭良
    2007「精神負荷作業時の脳波と加速度脈波について」『第3回日本疲労学会総会・学術集会』東京、2007. 7. 1.
  • 水野 敬、福田早苗、田中雅彰、山野恵美、吉田かおる、田島華奈子、高野美雪、川谷淳子、上土井貴子、友田明美、三池輝久、渡辺恭良
    2007「小中学生の学習意欲・疲労と学習効率に関するコホート研究 -小児慢性疲労症候群における注意・ワーキングメモリ機能の検討-」『第3回日本疲労学会総会・学術集会』東京、2007. 6. 30.
  • Mizuno, K., M. Tanaka, H. Onoe, N. Sadato and Y. Watanabe
    2007 Neural substrates of motivation. The 84th Annual Meeting of the Physiological Society of Japan, Osaka, Japan, March 21.
  • Tanaka, M., S. Fukuda, K. Mizuno, K. Imai-Matsumura and Y. Watanabe
    2007 Measurement of motivation and fatigue. The 84th Annual Meeting of the Physiological Society of Japan, Osaka, Japan, March 21.
  • Fukuda, S., K. Mizuno, M. Tanaka and Y. Watanabe
    2007 Stress and fatigue research by a psychoneuroendocrinological approach. The 65th Annual Scientific Conference of the American Psychosomatic Society, Frontiers in Psychosomatic Medicine: From Bench to Bedside to Community, Budapest, Hungary, March 6-11.
  • 水野 敬
    2007「神経心理学的手法を用いた意欲と達成感の関連性の検討」『静岡県中学校技術・家庭科研究会志太地区研修会』静岡、2007. 3. 3.
2006
  • 水野 敬、奥山香里、田島華奈子、田中雅彰、福田早苗、田島世貴、定藤規弘、渡辺恭良
    2006「精神的疲労負荷法と同時疲労評価法としてのAdvanced trail making testの有用性について」『第2回日本疲労学会総会・学術集会』大阪、2006. 7. 22.
  • 田中雅彰、水野 敬、福田早苗、田島世貴、定藤規弘、渡辺恭良
    2006「疲労および意欲の脳神経メカニズムについての検討」『第2回日本疲労学会総会・学術集会』大阪、2006. 7. 22.
  • 水間広、田中雅彰、野崎聡、水野 敬、金光華、和田康弘、尾上浩隆、渡辺恭良
    2006「疲労モデルラットにおける脳内グルコース利用能の低下」『第1回日本分子イメージング学会』京都、2006. 5. 24.
2005
  • Mizuno, K., A. Ishii, M. Tanaka, H. C. Tanabe, H. Onoe, N. Sadato and Y. Watanabe
    2005 Neural substrates based on academic motivation in college students. The First International Symposium on Cohort Studies Based on Brain-Science (1st ISCS-BBS), Tokyo, Japan, November 29.
  • Mizuno, K., A. Ishii, M. Tanaka, H. Onoe, N. Sadato and Y. Watanabe
    2005 Motivation related to external or internal rewards in behavioral and fMRI study. Society for Neuroscience 35th Annual Meeting, Washington, November 12-16.
  • Mizuno, K., A. Ishii, M. Tanaka, H. Onoe, N. Sadato and Y. Watanabe
    2005 Measures of motivation and behavioral changes for neuroimaging in healthy volunteers. Neuroscience 2005, Yokohama, Japan, July 27.
【雑誌掲載論文】
2013
  • Mizuno, K. and Y. Watanabe
    2013 Neurocognitive impairment in childhood chronic fatigue syndrome. Frontiers in Integrative Physiology, 4: 87.
  • Mizuno, K., M. Tanaka, S. Fukuda, K. Imai-Matsumura and Y. Watanabe
    2013 Divided attention of adolescents related to lifestyles and academic and family conditions. Brain & Development 35(5): 435-440
  • Mizuno, K., T. Yoneda, M. Komi, T. Hirai, Y. Watanabe and A. Tomoda
    2013 Osmotic release oral system-methylphenidate improves neural activity during low reward processing in children and adolescents with attention-deficit/hyperactivity disorder. NeuroImage: Clinical 2(2013): 366-376.
2012
  • Kuratsune, D., S. Tajima, J. Koizumi, K. Yamaguti, T. Sasabe, K. Mizuno, M. Tanaka, N. Okawa, H. Mito, H. Tsubone, Y. Watanabe, M. Inoue and H. Kuratsune
    2012 Changes in reaction time, coefficient of variance of reaction time, and autonomic nerve function in the mental fatigue state caused by long-term computerized Kraepelin test workload in healthy volunteers. World Journal of Neuroscience 2: 113-118.
  • Mizuno, K., M. Tanaka, H. C. Tanabe, N. Sadato and Y. Watanabe
    2012 The neural substrates associated with attentional resources and difficulty of concurrent processing of the two verbal tasks. Neuropsychologia 50(8): 1998-2009.
  • Shigihara, Y., M. Tanaka, K. Mizuno, A. Ishii, E. Yamano, M. Funakura, E. Kanai and Y. Watanabe
    2012 Effects of daily levels of fatigue and acutely induced fatigue on the visual evoked magnetic response. Brain Research 1457: 44-50.
2011
  • Mizuno, K., M. Tanaka, S. Fukuda, E. Yamano, Y. Shigihara, K. Imai-Matsumura and Y. Watanabe
    2011 Low visual information-processing speed and attention are predictors of fatigue in elementary and junior high school students. Behavioral and Brain Functions 7: 20.
  • Mizuno, K., M. Tanaka, K. Yamaguti, O. Kajimoto, H. Kuratsune and Y. Watanabe
    2011 Mental fatigue caused by prolonged cognitive load associated with sympathetic hyperactivity. Behavioral and Brain Functions 7: 17.
  • Tanaka, M., K. Mizuno, K. Yamaguti, H. Kuratsune, A. Fujii, H. Baba, K. Matsuda, A. Nishimae, T. Takesaka and Y. Watanabe
    2011 Autonomic nervous alterations associated with daily level of fatigue. Behavioral and Brain Functions 7: 46.
  • Kawatani, J., K. Mizuno, M. Takano, T. Joudoi, S. Shiraishi, S. Fukuda, Y. Watanabe and A. Tomoda
    2011 Cognitive dysfunction and mental fatigue in childhood chronic fatigue syndrome - A 6-month follow-up study. Brain & Development 33(10): 832-841.
  • Mizuno, K., M. Tanaka, S. Fukuda, K. Imai-Matsumura and Y. Watanabe
    2011 Relationship between cognitive functions and prevalence of fatigue in elementary and junior high school students. Brain & Development 33(6): 470-479.
  • Mizuno, K., M. Tanaka, S. Fukuda, T. Sasabe, K. Imai-Matsumura and Y. Watanabe
    2011 Changes in cognitive functions of students in the transitional period from elementary school to junior high school. Brain & Development 33(5): 412-420.
  • Mizuno, K., M. Tanaka, S. Fukuda, K. Imai-Matsumura and Y. Watanabe
    2011 Relationship between cognitive function and prevalence of decrease in intrinsic academic motivation in adolescents. Behavioral and Brain Functions 7: 4.
2010
  • Tanaka, M., K. Mizuno, S. Fukuda and Y. Watanabe
    2010 Personality and fatigue in medical students. Psychological Reports 106(2): 567-575.
  • Fukuda, S., E. Yamano, T. Joudoi, K. Mizuno, M. Tanaka, J. Kawatani, M. Takano, A. Tomoda, K. Imai-Matsumura, T. Miike and Y. Watanabe
    2010 Effort-reward imbalance for learning is associated with fatigue in school children. Behavioral Medicine 36(2): 53-62.
  • Yamano, E., S. Fukuda, T. Joudoi, K. Mizuno, M. Tanaka, Y. Kataoka, J. Kawatani, M. Takano, A. Tomoda, K. Imai-Matsumura, T. Miike, F. Matsuda and Y. Watanabe
    2010 Temperament and character as predictors of fatigue-induced symptoms among school children in Japan: A 1-year follow-up study. Comprehensive Psychiatry 51(3): 256-265.
  • 水野 敬、渡辺恭良
    2010「子どもの疲労と学習意欲の科学」『体育の科学(特集:子どもの運動と心身の発達)』60(7): 436-442.
2009
  • Tanaka, M., K. Mizuno, S. Tajima, T. Sasabe and Y. Watanabe
    2009 Central nervous system fatigue alters autonomic nerve activity. Life Sciences 84(7-8): 235-239.
  • 水野 敬
    2009「疲労による作業能率低下の解析」『医学のあゆみ(最新・疲労の科学 –日本初:抗疲労・抗過労への提言)』228(6): 654-658.
2008
  • Yoshida, M., M. Tanaka, K. Mizuno, A. Ishii, K. Nozaki, A. Urakawa, Y. Cho, Y. Kataoka and Y. Watanabe
    2008 Factors influencing the academic motivation of individual college students. International Journal of Neuroscience 118(10): 1400-1411.
  • Mizuno, K., M. Tanaka, A. Ishii, H. C. Tanabe, H. Onoe, N. Sadato and Y. Watanabe
    2008 The neural basis of academic achievement motivation. NeuroImage 42(1): 369-378.
  • 渡辺恭良、田中雅彰、水野 敬
    2008「疲労の脳内機序(Brain Dysfunction in Fatigue and Chronic Fatigue)」『精神医学{疲労と精神障害(ストレス-疲労-精神障害について)}』50(6): 527-532.
  • 水野 敬、渡辺恭良
    2008「疲れはどこで感じるのか?-脳機能イメージングを用いた疲れの脳科学-」『現代化学(特集:疲労の科学)』444: 30-33.
2007
  • Tomoda, A., K. Mizuno, N. Murayama, T. Joudoi, T. Igasaki, M. Miyazaki and T. Miike
    2007 Event-related potentials in Japanese childhood chronic fatigue syndrome (CCFS). Journal of Pediatric Neurology 5: 199-208.
2006
  • Tanaka, M., N. Sadato, T. Okada, K. Mizuno, T. Sasabe, H. C. Tanabe, D. N. Saito, H. Onoe, H. Kuratsune and Y. Watanabe
    2006 Reduced responsiveness is an essential feature of chronic fatigue syndrome: A fMRI study. BMC Neurology 6:9.
【著書・同掲載論文】
2008
  • Mizuno, K. and Y. Watanabe
    2008 Utility of an advanced trail making test as a neuropsychological tool for an objective evaluation of work efficiency during mental fatigue. In Watanabe Y., B. Evengård, B. H. Natelson, L. A. Jason and H. Kuratsune (eds.) Fatigue Science for Human Health. 47-54. Springer.

文部科学省科研費補助金「新学術領域研究」:ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相: 学習能力の進化に基づく実証的研究
プロジェクト本部:高知工科大学・総合研究所/〒108-0023 東京都港区芝浦3-3-6 CIC東京302 TEL:03-5440-9039 FAX: 03-5440-9119   お問い合わせ先:koutaigeki@gmail.com
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