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代表者
寺嶋秀明:神戸学院大学・人文学部・教授・文化人類学;統括・ピグミー研究
研究分担者
小山正:神戸学院大学・人文学部・教授・発達心理学;子供の発達と学習研究
窪田幸子:神戸大学大学院・国際文化学研究科・教授・文化人類学;アボリジニ研究
今村薫:名古屋学院大学・経済学部・教授・文化人類学;ブッシュマン研究
大村敬一:大阪大学大学院・言語文化研究科・准教授・文化人類学;イヌイット研究
亀井伸孝:愛知県立大学・外国語学部・准教授・ピグミー研究
山上榮子:神戸学院大学・人文学部・講師・臨床・発達心理学;子供の発達と学習研究
連携研究者
安藤寿康:慶応義塾大学・文学部・教授
市川光雄:京都大学・名誉教授;ピグミー研究
高田明:京都大学大学院・アジアアフリカ地域研究研究科・准教授;ブッシュマン研究
早木仁成:神戸学院大学・人文学部・教授・霊長類学;霊長類の遊びと学習行動の研究
研究協力者
林耕次:神戸学院大学・人文学部・PD・生態人類学,文化人類学,ピグミー研究
海外共同研究者
Barry S. Hewlett:米国・ワシントン州立大学・人類学部・教授;ピグミー研究
Bonnie Hewlett:米国・ワシントン州立大学・人類学部・客員教授
Yasmine Musharbash:オーストラリア・シドニー大学・政治科学社会学部・講師;アボリジニ研究
招待研究者
山内太郎:北海道大学・大学院保健科学研究院・准教授
研究課題名:狩猟採集民の身体とフィットネス:「遊び」と「食」からみた子どもの環境適応能
研究課題名:狩猟採集民の身体とフィットネス:「遊び」と「食」からみた子どもの環境適応能
本班は、文化人類学的手法によって狩猟採集民の子供の学習行動、特に遊びを通した日々の学習行動の実態を把握し、発達心理学的研究も加えながら、新人の学習行動の特性を解明する。狩猟採集生活はヒトの進化における最も基盤的な生活様式であり、新人の学習行動の根本的な特性も狩猟採集生活の中で把握する必要がある。また、子供の遊び集団は、近代化以前の社会における最も基本的な学習環境であり、学習行動の研究には最適である。 最終的には,理論的研究も併用し,新人の登場以降の加速度的な文化進化・社会進化をもたらしたホモ・サピエンスの認知能力の発達と学習行動の特性について進化論的展望を得ることを目指す。
(1) 狩猟採集社会における遊び集団を中心とした子供の諸活動の観察を行い,以下の点を解明する。
①各狩猟採集民における子供遊び集団の実態
②技術・技能・知識などの学習過程
③創造性の出現と普及の様態
④教示行動と学習行動の関係
①各狩猟採集民における子供遊び集団の実態
②技術・技能・知識などの学習過程
③創造性の出現と普及の様態
④教示行動と学習行動の関係
(2) 発達心理学的手法による狩猟採集社会と現代社会の子供の比較研究を行い、以下の点を解明する。
①狩猟採集民における(創造性などを含む)学習の心理学的特性
②発達過程と学習特性との関係
③狩猟採集環境が学習行動、認知能力の発達に与える影響
①狩猟採集民における(創造性などを含む)学習の心理学的特性
②発達過程と学習特性との関係
③狩猟採集環境が学習行動、認知能力の発達に与える影響
(3) 多彩な自然・社会環境に暮らす狩猟採集民について文献的比較研究を行い、以下の点を解明する。
①環境の相違や変動に応じた生活と学習行動の変化
②子どもの遊びや遊び仲間の変化
③環境変化と創造性の出現との関係
①環境の相違や変動に応じた生活と学習行動の変化
②子どもの遊びや遊び仲間の変化
③環境変化と創造性の出現との関係
(4) 霊長類学や認知科学などとの学際的理論研究を行い,以下の点を解明する。
①ヒト以前の霊長類から現代人に至る学習能力の進化についての理論的展望
②旧人と新人の学習能力の差異を論ずる基盤
①ヒト以前の霊長類から現代人に至る学習能力の進化についての理論的展望
②旧人と新人の学習能力の差異を論ずる基盤
(1)次年度以降の本格的調査を前提として、現地の社会状況と研究のサポート体制を確認し、遊びと学習行動の全般についての情報収集を行う。民族植物学や民族動物学などを主体に,知識の伝承や創造についてのデータを収集する。
(2) 研究の基盤となる諸概念や方法論等について綿密な検討を行い、調査項目、内容、調査方法等についてのフォーマットを作成し,研究の理論的フレームワークを確立する。
(3) 発達心理学と文化人類学の連携について具体的なプログラム作成作業を進める。
(4) 「ヒトにおける遊びと学習の進化的展望プロジェクト」を立ち上げる。
これによって,現地調査の成果を取り組むと同時に、理論的フィードバックを行う態勢を整える。
これによって,現地調査の成果を取り組むと同時に、理論的フィードバックを行う態勢を整える。
(1) 予備的な現地調査は、カメルーン南部、中央アフリカ共和国、ナミビア共和国、オーストラリア北部および中央部、カナダ北部で行う。地域の行政機関や研究機関と調査について打合せを行い、協力関係を構築する。子どもの遊びなどについての情報を得るとともに、民族植物学・民族動物学的な情報収集を行い、伝統的知識の伝承と革新に関して調べる。
(2) 「ヒトにおける遊びと学習の進化的展望プロジェクト」において,以下の項目について検討する:① 遊びの概念、② 遊びの分類、③ 遊びの比較研究の意義、④ 生業遊び(狩猟ごっこ,採集ごっこなど)と実際の仕事との関係、⑤ 踊りや歌における創造性や芸術的動機づけの意味、⑥ ヒト以外の霊長類から現代人に至る遊びの進化
(3)子供の発達および学習における創造性の出現を調べるため、ギルフォードの創造性テストなどを改良した心理学的調査・実験の検討を行う。今年度は、国内の施設において子供の遊びと発達・学習についての観察と実験によってその効果を確かめる。
(4)文献の収集を行い、自然及び社会要因による環境変化に応じた学習行動の変化の有無を調べ、環境と学習との動的な関係に関する資料を収集する。